地域事業の取り組み
京都が好きな建都だから、事業以外でも、京都の文化やまちを大切にし、様々な形で協力させていただいています。小さくても幅広い関わりが京都をよくするという思いです。取り組んできた地域事業をご紹介します。
長期優良住宅 ~北白川の家~(2008年6月~)
住宅性能表示制度に取り組んだ
<京都・北白川の家>モデル住宅に着手しました
2007年、福田首相が構想を打ち出し、国土交通省が検討を重ね、平成20年の終盤より「法律」としてスタートさせようとしている「長期優良住宅の普及の促進に関する法律案」。日本において「長期優良住宅(200年)住宅」が考案された背景には、日本人の平均寿命が世界一となり、住宅も人生の長寿命化に対応し、 長年にわたって住み続けられることが求められてることが考えられます。
しかし、現在日本の住宅の耐用年数は実に短く、中古住宅の評価としては「築何年」で片付けられてしまい、住宅の価値を見出せなくなっています。この耐用年数の短さにより、経済的、社会的、資源のロスが多くなっているのは明らかで、地球環境保全や資源の有効活用が求められます。
私共、建都住宅販売では、前述の内容を充分に調査・検討し「長期優良住宅」と、建物の「評価基準、評価方法」等が密接な関係にあり、国土交通省の推奨する「住宅性能表示制度」に取り組む事を考え、このたび<京都・北白川の家>と題したモデル住宅に着手しました。是非、この機会に体感して頂き、今後の「住宅造り」の参考として頂きたく思っています。
京町家再生プロジェクト ~燈籠町~(2006年7月~)
京都の歴史や美しい街並を大切にした京町家の再生、
そして限られた資源を生かすため取り組んでいます
この町家は、昭和6年に建てられた京町家で、空家の状態が長く10数年前までは運送業者の事務所兼住宅として使用されていました。戦前に建てられたことから、建物の下には防空壕があり、戦前は食品等の貯蔵庫としても活用されていたそうです。このように、京都の近現代の歴史を彷彿させる京町家を改修する機会に恵まれました。
今回の京町家再生プロジェクトの大きな特徴は、地産地消による京町家の再生でもあります。近年はグローバリゼーションや価格競争のあおりを受けて、京都の産材や産地は活力が低迷化していました。そこで建材や労働力など地域の資源を活用する、京町家の原点回帰を試みるとともに、地域の産業が少しでも元気になるような端緒を作っていきたいと思っています。
京町家不動産証券化(2006年6月~)
町家を将来にわたって継承するためのシステム
「証券化事業」を立ち上げました
京町家は全国的な知名度に反して、厳しい現実に直面しています。この状況を受けて、京都市周辺の不動産会社などでつくる、有限責任中間法人・京都不動産投資顧問業協会は、老朽化した京町家の維持・再生を目的とし、京町家の証券化事業をはじめました。期間は5年間です。
まず、京都市内の町家三軒を対象として1億500万円を募り、出資金を改修費などに充てます。三軒のうち、二軒はすでに飲食店と衣料・雑貨店として営業中です。もう一軒も飲食店として開業予定であり、この三軒の運用益と5年後の売却益が投資家に分配されます。
この事業の代表を、弊社 井上誠二代表取締役がつとめています。町家の証券化という、全国初の試みによって、民間資金による町並保全のモデルを構築します。
京都まちなかこだわり住宅設計コンペ(2006年3月~)
地産地消の家づくり、景観への配慮など地域に根ざした活動として
「京都まちなかこだわり住宅」の優秀作品を施行しました
世界に誇る歴史文化都市である京都は、1200年にわたる都市であるがゆえに、住まいとまちづくりに関しては難しい課題を抱えています。特に、「京町家」は、多くのメディアに注目され、京都の住文化の代表とも言われる反面、実際は地域経済の衰退や住宅産業の変化、少子高齢化などの社会的状況の変化、さらに建物の老朽化やライフスタイルの変化に対応しきれないという現状が有ります。
そこで、京町家に代表される住文化の継承と、建材や職人を活用する目的で、京都のまちなかの景観にも配慮した家づくりを目指す「京都まちなかこだわり住宅」設計コンペが京都市・景観まちづくりセンター・都市居住推進研究会などによって開催されました。81作品の応募があり、優秀賞一点が決まりました。建都は優秀賞の設計提案者と、協議・調整しながらモデル住宅の実施設計、および工事を進めていきます。
北山杉や竹、土など建材だけでなく、建築の技や労働力も地域の中で循環させる「地産地消」の家づくり、景観への配慮など地域に根ざした活動を行っています。
同志社大学キャンパス「江湖館」(2006年4月)
町家の良さをそのままに、
空き家を大学キャンパスとして施行しました
衣棚通りを丸太町から少し下がったところに同志社大学大学院総合政策科学研究科ソーシャルイノベーション研究コースのオフキャンパス、「江湖館(こうこかん)」があります。
この「江湖館」、もとは法衣の染めを行う法衣屋さんでしたが、ここ13年の間は空き家となっていました。 当初、建都はこの地をマンション予定地として考えていました。ところが、調査の結果、十分使用可能な町家であることがわかったのです。
そこで、同志社大学同研究科の「公共空間的な出会いと実践の場を創造したい」という希望を知り、町家のよさをそのままに、キャンパスとして活用してもらうことになりました。 今、このキャンパスではゼミが開かれ、学生や来館者がお茶を飲み、団らんできる空間になっています。地域に開かれたぬくもりのある学びの場がうまれました。